2019年12月一般質問:高校留学生徒の割合の少なさ、帰国後のサポート、留学相談員の配置について質問しました
令和元年8月、文部科学省は「平成29年度 高等学校等における国際交流等の状況について」の 調査結果を取りまとめ 公表しました。
政府の「第3期 教育振興基本計画」では、令和4年に 日本人高校生の海外留学生を6万人と目標に定めています。平成29年度の高校生 留学生数は4万7千人であり、前回の平成27年度の調査時の3万6千人から1万1千人増加し、過去最高であると報告しています。
比較的短期の国際交流は増加していますが、長期留学は減少しており、短期間、3か月未満の研修旅行では42,793人と、平成27年より11,148人増加。一方、長期間、3か月以上の留学では4,076人と121人減少しています。
留学先は、短期 長期とも、英語圏が上位を占めています。 短期ではオーストラリア、次いでアメリカ、カナダと続きます。長期は アメリカ、次いでカナダ、ニュージーランド、オーストラリアです。
平成29年度 高等学校の生徒数、およそ328万(3,280,247)に占める留学経験生徒数の割合は、およそ1.4%です。 長期留学に限定すると、わずか0.1%ということになります。全国の高校学校数は4,907校、内、短期留学は2,286校が実施しており、1校平均は9.5人。長期は1,099校の実施で、1校平均は0.83人です。
高校生留学に対する意識調査では、63.2%の生徒が「留学したいと思わない」と回答していますが、その理由で最も多いのは「言葉の壁」、次いで「魅力を感じない」、「経済的に厳しい」と続きます。その他、留学方法や外国での生活の不安、加えて帰国後の学校生活や進路への不安もあると回答しています。
一方「留学したい」と回答した生徒は36.8%で、実際に留学している割合(1.4%)の26倍の希望者があり、その理由で最も多いのは「語学力を向上させたい」71%、次いで「外国人と友達になりたい」とあり、外国での生活を具体的にイメージできている内容のものが多くあります。一方、将来をみすえ進路や受験、進学や就職を視野にいれ、「留学」という経験を積むことに価値を持っているという回答もあります。
本府は、平成29年度において短期・長期留学を合わせた留学者率は全国1位です。71,596人中、短期・長期合わせ2,073人の2.9%で1位、という輝かしい実績ですが、4割近い高校生が「留学したい」と思っていても、できない現実も意識調査で浮き彫りになっています。
グローバル化が加速する今日、外国語能力と国際感覚を身に着けることは重要です。天然資源に乏しい我が国にとって、世界に通用する人材育成に取り組む事は、これからの日本の、京都の、発展に大きく寄与すると思われます。
そのような意味でも、高校生留学はワールドワイドな人材育成のゲートウェイとして大いに期待できます。 留学したくても出来ない生徒もいることを踏まえ、希望すれば誰でもが 留学出来る支援体制の確立を期待いたします。
そこで、高校生留学の考え方についてご所見をお伺いします。
- 高校生留学 全国1位という実績はありますが、日本全体の内向き志向を反映しているため、在学生の総数からして、留学をする生徒の割合があまりにも少ないと感じますが、いかがお考えでしょうか。
- 国際的な人材育成には長期的な国際交流が必要と思われます。帰国後のサポート(単位取得や進路)について、本府ではどのような支援や対策をご検討でしょうか。
- より留学を身近にするため、留学方法や外国での生活不安解消、帰国後に不安を抱える生徒や、経済的に厳しいと感じている生徒のためにも、本府でも留学相談員の配置を検討していただきたいと思いますが、如何でしょうか?