2021年6月一般質問:令和3年6月定例会にて食品ロスが招く環境問題について質問しました
6月17日から7月6日まで6月定例会が開会しております。
代表質問:22日・23日
一般質問:24日・25日・28日となります。
私は一般質問をいたしました。
今回のテーマは「食品ロス」が招く環境問題と動物愛護についてです。
食品ロスが招く環境問題について
日本では6月5日は「環境の日」とされ、6月は「環境月間」として位置づけられています。国際的にも環境保全の重要性を再認識して、環境への意識を高める為の日として6月5日は「世界環境デー」とされています。
6月5日を『世界環境デー』とされた由来は、スエーデン・ストックホルムにおいて、1972年6月5日から開催された「国連人間環境会議」の開会日を記念してのものです。そして、1972年12月15日の国連総会において「日本とセネガルの共同提案」により 6月5日を『世界環境デー』として制定されました。
私は『世界環境デー』の 生みの親として 我が国が大きく寄与していたことを知り驚きとともに、半世紀前に我が国が 環境への「問題意識」と「重要性」を認識し、世界へ発信していたことに日本国民として大いに誇りを感じます。同時にその提案の背景には、日本の高度経済成長期での環境汚染による公害で、苦しんだ人々の 苦難の道のりがあったことを 決して忘れてはいけないとも思います。
我が国が「世界環境デー」の生みの親ならば、この京都は国際社会が協力して温室効果ガス削減目標の取り決めがなされた「京都議定書発祥の地」として、地球温暖化防止へ大きな一歩を踏み出した 象徴的な役割を担った地と言えます。そのような意味で、地球温暖化の加速により地球環境が危機的状況の中で日本と京都の果たす役割は大きいと思います。
令和2年版 環境白書では「現代の私たちの生活や経済・社会システムは安定的で豊かな環境の基盤の上に成立しています。
しかしながら人間活動の増大は、地球環境へ大きな負荷をかけており、気候変動問題や海洋プラスチックごみ汚染、生物多様性の損失など、様々な形で地球環境の危機をもたらしています。これらの環境問題は、気候変動が生物多様性の損失の原因となるなど、個々の環境問題がそれぞれ関連すると同時に、経済・社会活動に大きな影響を与えているとされています。
環境問題はグローバルな課題であると同時に 私たちの生活とも密接に関係するローカルな課題でもあります」と記されています。
環境問題は、いずれも私たち一人一人の生活や今日の経済・社会システムと深く関わっており、私たちが日常便利に利用している モノやサービスは、資源の採掘、運搬、生産、加工、使用等の 長いサプライチェーンを通じて 地球環境に影響を与えています。
気候変動の原因の一つと言われているCO2の多くは化石燃料の利用に伴い排出されているもので、私たちの現代生活のありとあらゆるところからCO2は排出されています。
しかし私たちは、一人一人が世界的な環境問題の原因の一端を担っている自覚を持っているでしょうか。日常生活や経済・社会活動の中で「原因の一端」を担っている事を強く意識しているでしょうか。今回はこの様な観点から「食品ロス」について質問をさせて頂きます。
「食すること」は、私たちの生命維持に欠かせない営みです。
しかし、食する営みの中でムダになった・している食品、所謂「食品ロス」が地球温暖化に 拍車をかけている事に 気づいている人は少ないと思います。
これまで、日本は食品ロスを「もったいない・無駄にしない」の観点で取り上げてきており、本府においても食品ロスに関しては令和2年度からは府民環境部が担当されていますが、令和元年度までは農林水産部が担われておりました。
食べ物を無駄にしないことは大前提です、しかし同時に食べ物を無駄にすることによる地球環境に及ぼす影響と社会的損失を分かりやすく確実に伝えることが必要であると考えます。
今年3月に国連環境計画より「食品廃棄指標報告2021」が発表されました。
報告書によると、2019年に世界で販売された9億3000万トン以上の食品がゴミ箱に捨てられていると報告されています。家庭、レストラン、スーパーやコンビニ等で、まだ食べることが出来る食品の17%(40トントラック約2300万台分、日本で一般的に使用される10トントラックでは約9300万台分)が1年間でゴミとして捨てられたのです。
その他に生産・加工・流通過程で失われた食品もあわせると、全体として世界の食品の3分の1は消費されることなくゴミとして処分されました。家庭は食品の11%を廃棄し、外食産業と小売店はそれぞれ5%、2%を廃棄しています。このことは環境、社会、経済に大きな影響を及ぼしており、埋立て処分が中心である海外では、2010年から2016年に出された食品ロス及び廃棄により 排出された温室効果ガスは、人為起源排出量の8〜10%になると指摘されています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)により、食品ロスを減らすことで 温室効果ガス排出量を削減でき、気候変動対策にとっても 有効であると示され 注目されています。
食品ロス削減は、私達一人一人の心掛けで取組める「最も身近で今日から」取組むことが出来きる地球温暖化対策だと認識して頂くことは重要です。
そこで、西脇知事にお伺い致しますが、その前にお断り申し上げます。
国連食糧農業機関(FAO)が2019年世界食料・農業白書において、生産から小売に到達する前段階までのロスを食品ロス、小売・消費段階でのロスを廃棄と明確に定義されましたが、日本では、本来食べられるにもかかわらず捨てられる食品のことを「食品ロス」として一般的に認識されていますので、本質問でも「食品ロス」とさせて頂きますので ご了承お願い申し上げます。
それでは西脇知事にお伺いいたします。
西脇知事は2020年2月11日に開催された KYOTO地球環境の殿堂 表彰式において、京都府は2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを、宣言されました。
この宣言は国よりも8ケ月も早い段階で、京都府が取組む姿勢を内外に示されたもので、私は西脇知事の宣言に心から敬意を表しております。
同時にこの宣言により、京都府の姿勢と本気度が試されていくと思いますが、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロという目標達成のためにどのように経済界に協力を求め、府民への意識改革に臨まれるのか、推進への課題と、そのご決意をお聞かせください。
次に、2015年に国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット12.3では、世界全体で2030年までに 小売や消費者レベルでの一人当たりの食料の廃棄を半減させ、生産やサプライチェーンで生じる食品損失を減少させることを目標とされていますが、残された9年間で本府として、食品ロスについてどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
又、府内における年間の食品ロス量とともに、食品ロスによる温室効果ガス排出以外に社会に与える影響や弊害、課題等をお聞かせください。
▼6月定例会に関しまして詳細は以下ホームページをご覧ください。
令和3年6月定例会
令和3年度6月補正予算案概要はこちら
令和3年度6月補正予算案等の概要について (PDF)